TPP にインドネシアが参加意思を表明、経済圏が拡大することは朗報だ
日経新聞によりますと、インドネシアのユスフ・カラ副大統領が TPP への参加意思を講演時に明言したとのこと。人口2億5000万人超の “若い市場” が TPP に加わるインパクトは大きいと言えるでしょう。
また、13日には日本の国会(参院)で『TPP 関連法案』が可決・成立しています。経済政策において、安倍政権が着実に実績を積み重ねつつある点は評価しなければなりません。
インドネシアのユスフ・カラ副大統領は12日、国際交流会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)で講演した。米国を除く11カ国による環太平洋経済連携協定(TPP)について「インドネシアは参加する意思がある」と明言。安倍晋三首相が外交戦略として打ち出している「自由で開かれたインド太平洋戦略」については「協力していきたい」と支持する立場を明らかにした。
TPP への参加をアメリカが見送ったことは痛手だったと言えるでしょう。しかし、TPP11 という形で成立させ、魅力的な市場を持つ国が「経済協定に加わりたい」と希望する流れができたことは評価すべきことです。
特に、人口という点で大きな魅力を持つインドネシアが参加の意思を示したことは大きいと言えるはずです。
インドネシアが TPP に加入するインパクトは大きい
インドネシアは面積が日本の5倍、人口は2倍以上(約2億5500万人)を持つ国です。また、若い年代の人口が多く、「将来性が大きい市場を持っている」と言えるでしょう。
つまり、“大きなポテンシャルを持った国” が TPP に加入する意思を示したのです。
これは日本企業にとって絶好のチャンスになる可能性があります。インドネシアは約1万の島々で形成される国家で、島国である日本と似た地理的環境を有しています。
日本は少子高齢化で若い世代をターゲットにした企業が市場の縮小に頭を痛めていますが、インドネシアには『若い世代』が中心となっています。その市場に “TPP の共通ルール” で参入できる訳ですから、従来以上に業績を伸ばすチャンスはあると言えるでしょう。
「火山国で地震国」という共通点もあり、インフラ業界にもインドネシア進出のチャンスはある
一般企業のみではなく、日本の行政組織にとってもインドネシアは魅力的な市場です。なぜなら、インドネシアも日本と同じ「火山国であり、地震国だから」です。
要するに、日本国内で当たり前となっている『防災ノウハウ』がビジネスになるということです。
例えば、「火山活動に対する備え」や「耐震基準の設定」といった自治体の規制をインドネシア側にアドバイスをし、日本の防災システムを売り込むということが考えられます。これらのプロジェクトで最終的に日本国内での税収アップが見込めるのであれば、悪い話ではないはずです。
また、島国ですから、船舶・航空会社にもチャンスがあると考えられます。
安全保障面においても、インドネシアは重要な国である
経済面だけでなく、安全保障の観点においてもインドネシアは重要な国です。日本は石油や天然ガスなどの資源を中東諸国から輸入しており、それらの資源はマレー半島とスマトラ島(インドネシア)の間に位置するマラッカ海峡を通過します。
海賊の出没地域となっているなど、対策が必須となっている地域に位置する国家が『自由で開かれたインド太平洋戦略』に協力すると表明したことは日本の国防にとってもプラスと言えるはずです。
インドネシアが TPP や日本の安全保障にとってプラスとなる行動をする限り、公的な声明を出し、動きを後押しする価値があると言えるのではないでしょうか。