左派が羨望の眼差しで見つめる韓国でムン・ジェイン大統領自らが「疑惑の法相に対する人権を尊重すべき」と捜査自粛を暗に求める
NHK によりますと、韓国のチョ・グク法相が家族ぐるみの不透明な投資疑惑で自宅を強制捜査された際に担当検事に連絡をしていたことが批判されたことに対し、ムン・ジェイン大統領が「人権を尊重すべき」と捜査に苦言を呈したとのことです。
日本の左派には「韓国は成熟した民主国家」と持ち上げる人もいますが、事実と異なる点は指摘しておく必要があるでしょう。なぜなら、実態は法令を無視した人治国家と言わざるを得ないからです。
韓国では26日、チョ・グク法相が、家族ぐるみの不透明な投資などの疑惑で自宅を強制捜査された際に、担当検事と電話していたことが明らかになり、野党が「捜査への介入だ」などと攻勢を強めています。
これについて、韓国大統領府の報道官が27日午後、記者会見を行い、ムン・ジェイン大統領が「検察は何の干渉も受けずに、全精力を傾けて厳しく捜査している」と述べたことを明らかにし、チョ法相の行動は、検察の捜査に影響を与えていないと擁護する姿勢を示したということです。
そのうえで、ムン大統領は「検察は、国民に公権力を直接行使する機関なので、人権を尊重する、節度ある検察権の行使が何よりも重要だ」として、検察をけん制しました。
疑惑を抱えた人物を法相に “強行指名” したムン・ジェイン大統領
問題の発端は「ムン・ジェイン大統領がチョ・グク氏を法務大臣に強行指名したこと」です。
まず、チョ法相が批判にされる原因となっている「家族ぐるみの不透明な投資」は法相就任後に発覚したものではありません。法相に就任する前に行われた国会での査問の際には明るみに出ていた疑惑だからです。
つまり、ムン・ジェイン大統領は “脛に傷を抱えていることが明るみに出た人物” を世論の批判がある中で法務大臣に強行指名したのです。
法相に就任したチョ・グク氏は検察を管轄する権限を持ちます。トップ自らが現場の担当検事に電話をかけて接触をしている訳ですから、問題行動と言わざるを得ないでしょう。
チョ・グク法相の問題行為を大統領が肩を持つ
チョ法相の行為は問題ですが、チョ法相の家族を対象にして行った検察を批判するムン・ジェイン大統領も問題です。
「(容疑のある人物の)人権を尊重する、節度ある検察権の行使が重要」と検察の捜査に不快感を示しています。「権力者の不正疑惑への捜査」よりも「疑惑を持たれた権力者の人権」を尊重することを要求しているのですから、韓国を “成熟した民主主義” が根付いた国とは言えないでしょう。
なぜなら、「権威によって対応を柔軟に変更せよ」と要求していることと同じだからです。身内への捜査に対して、大統領や法相が介入する行為の方が “節度ある検察権の行使” を阻害しています。
この事実を無視し、韓国を盲目的に称賛している日本の左派勢力は態度を改めるべきでしょう。ムン・ジェイン大統領やチョ・グク法相がやっていることは人治主義に基づく恐怖政治と同じだからです。
大法院の長官に “子飼いの裁判官” を大抜擢しているムン・ジェイン政権が検察に怯むことはないだろう
ムン・ジェイン政権が平然と検察に圧力をかけられる理由は「司法を抑えているから」です。日本の最高裁に該当する韓国・大法院の長官はムン・ジェイン大統領が “大抜擢” した裁判官です。
大法院での裁判官経験のない人物が指名されたのですから、大抜擢というより「子飼いの裁判官」と評するべきでしょう。
検察には捜査・起訴の権限がありますが、最終的な法的判断を下すのは裁判所です。そのトップはムン・ジェイン大統領の息がかかった長官なのですから、検察の動きを過度に怯える必要はないのです。
ただし、「訴追された」という事実が足を引っ張るケースもあります。代表例は「ムン・ジェイン大統領の後任大統領として出馬する場合」です。
韓国の大統領は「皇帝のような権力」を有するため、1期5年で再選は認められていません。したがって、ムン・ジェイン大統領も後任者を選定することが不可避であり、チョ・グク氏も左派系の後継者候補として名前が出ている状況です。
他の(左派系)有力候補がスキャンダルで政治生命が絶たれるケースが散見されており、チョ・グク氏も失脚してしまうのは「大統領退任後に悲惨な運命が待っている歴史」を踏まえると大きな懸念材料となります。だから、訴追そのものを断念させ、ムン・ジェイン大統領の余生を守るためにも平気で介入に乗り出したのでしょう。
現状の韓国を「成熟した民主国家」として称賛することは間違いですし、「権力の監視」を使命として掲げるマスコミは批判する言論を発表する役目があるはずです。それができないなら、日本政府を批判するためのツールとして韓国を都合良く持ち出しているだけと言えるのではないでしょうか。