制裁中の北朝鮮に韓国が「応援団等の滞在費」名目で3億円以上を支援

 経済制裁中の北朝鮮に対し、韓国がピョンチャン五輪に派遣した応援団などの滞在費を負担したと NHK が報じています。

 総額は日本円で3億円を超えることが確定的であり、北朝鮮への経済制裁を骨抜きにする狙いがあるとも言えるでしょう。現在の韓国ムン・ジェイン政権はそれだけ “北寄り” なのです。

 

 韓国統一省は14日、北朝鮮がピョンチャンオリンピックに派遣した応援団や芸術団、それに記者団などの滞在費がおよそ28億6000万ウォン(2億8000万円)に上り、韓国側が負担することを明らかにしました。

 内訳は、宿泊費に12億ウォン、応援団などの席を確保するための競技場の入場料に10億ウォン、バスなどの移動にかかる費用に1億ウォンなどとなっていて、大会組織委員会などに支払われます。

 北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党委員長の妹のキム・ヨジョン(金与正)氏ら高位級代表団の滞在費用は、別の予算から支出され、この中には含まれていないということです。

 

 選手団ではなく、観客席にいる応援団や芸術団の滞在費用などが韓国持ちになったのです。これは北朝鮮に対する仕送りと同じと言えるでしょう。

 その上、VIP 級の滞在費は別予算となっているのです。したがって、韓国が肩代わりした資金は少なくとも3億円を超えることになると予想されます。

 

1:国際社会が経済制裁中にもかかわらず、経済支援を行う韓国政府

 核兵器を廃絶させられるなら、対話は有効でしょう。しかし、過去に「対話戦略」で失敗しているのです。

 「対話をすることが重要」との認識は2000年の初頭で終わりを告げました。なぜなら、対話を時間稼ぎに利用され、核兵器および弾道ミサイルの開発が進められたからです。

 その動きは止まっておらず、対話のための対話をする意味は皆無なのです。「非核化」の要求すら述べることができなかったムン・ジェイン政権が対話で北朝鮮を非核化させることなど不可能と断言できるでしょう。

 実際に対話をするのであれば、北朝鮮の核兵器が「完全かつ不可逆的に非核化が確証された場合」であることが絶対条件です。外部からそうした検証ができなければ、意味がないことを理解しなければなりません。

 

2:左派系の韓国大統領は北朝鮮支援に積極的

 ムン・ジェイン大統領が北朝鮮を理想郷のように美化しているから、憧れを抱いているのでしょう。これは韓国の歴代左派系大統領にも言えることです。

  • キム・デジュン(金大中、1998〜2003):2000年に北朝鮮を訪問
  • ノ・ムヒョン(盧武鉉、2003〜2008):開城工業団地などの経済支援
  • ムン・ジェイン(文在寅、2018〜)

 日本の左派が韓国(・北朝鮮)への支援に積極的なことと同様に、韓国の左派は北朝鮮への支援に積極的です。“支援” と表現すれば聞こえは良いのですが、実態は「半人前扱いしていること」となっていますので、下に見下しているとも言えるものです。

 左派の支援によって、事態が好転したという結果があれば評価はされるでしょう。ですが、好ましい結果が皆無なのです。支援によって得られた資金が軍事転用され、周辺地域に緊張をもたらしているのです。これでは資金源となった左派が厳しく批判されるべき失態だと言わざるを得ません。

 過去の失敗から学習することなく、同じことをやろうとしているから批判が起きているという現状を左派界隈は認識する必要があると言えるはずです。

 

 韓国が北朝鮮寄りの政権運営に奔走するのであれば、見切るための線引きをしておく必要があります。

 「日米は韓国を見捨てない」と韓国が高を括って好き勝手するのであれば、灸をすえなければなりません。裏切り行為には厳しい報復を与えなければならないと言えるのではないでしょうか。