国民民主党・原口一博議員が「全電源喪失がまたも起きた」と “マスコミの見出し詐欺” に便乗、反原発派の旗手として伊方原発を問題視

 国民民主党に所属する原口一博議員が自身のツイッターに「全電源喪失がまたも起きた」と投稿し、1月25日に起きた四電・伊方原発での一時停電を理由に原子力発電を否定しています。

 表現の自由が保証されている日本とは言え、デマを流すことは問題視されなければなりません。『全電源喪失』は伊方原発で発生していないのですから、原口議員の言動は厳しい批判にさらされるべきと言えるでしょう。

 

■ 原口議員のツイート内容

 原口一博議員(国民民主党)が行ったのは以下のツイートです。

画像:原口一博議員のツイート

 原口議員は共同通信が配信した日経新聞の記事を紹介し、「全電源喪失がまたもや起きた。原発は無理だ」と自らの主張を加えたツイートを行いました。

 この主張が問題なのは「『全電源喪失』が実際には起きていない」からです。反原発派は「定義された言葉の意味」を無視し、「原発は危険である」との印象を世間に植え付けることに躍起になっています。

 そうした主張を国会議員が繰り広げることは論外ですし、放置しておくことは問題と言わざるを得ないでしょう。

 

■ 事実

1:伊方原発でのケースは『全電源喪失』には該当しない

 まず、2020年1月25日に伊方原発で発生した一時停電は『全電源喪失』には該当しません。なぜなら、電源が途絶える事態を示す表現は次のように定義されているからです。

  1. 『外部電源喪失』
    • 発電所外からの受電が途絶すること
  2. 『全交流電源喪失』
    • 『外部電源喪失』時に使用する非常用ディーゼル発電機等からの交流電源が途絶した状態のこと
    • 発生時に備え、予備の発電機が複数配備されている
  3. 『全電源喪失』
    • 非常用ディーゼル発電機が使用できない際に使われるバッテリー等の直流電源が途絶した状態のこと
    • 発生時に備え、予備バッテリーと電源車が複数配備されている
    • ニュースで「訓練が実施」と報じられる

 伊方原発で起きたのは『外部電源喪失』です。なぜなら、バックアップ電源によって数秒後に復旧したからです。

 『全電源喪失』ならバックアップは動きません。また、『全交流電源喪失』が起きていたなら、数秒で停電が終わることもなかったでしょう。少なくとも、原口議員が訴える『全電源喪失』は明らかなデマなのですから、ツイートの撤回と訂正は必要と言わざるを得ないでしょう。

 

2:原発廃止に向けた粗探しによる言いがかりは容認できる主張ではない

 反原発派の主張が世間で共感されなくなっているのは「乱暴な主張を展開しているから」でしょう。原発にだけ「完璧」を求めるのは暴論以外の何物でもありません。

 原発では「電源喪失が想定されるケース」に備え、“多段階のバックアップ” が準備することが要求されています。今回は「バックアップが想定どおりに機能した」のです。

 「バックアップ電源を使うことになった原因の特定」は行う必要はあるものの、大騒ぎする必要はありません。なぜなら、作業中の非常に軽微な出来事でも電源供給が一瞬途絶えることは起こり得るからです。

 「軽微なミス」は懲罰を科すより、報告させた上で適切な再発防止策を講じた方が長期的なメリットは大きくなります。野党やメディアが騒ぐほど、失職のリスクは高まるのですから、隠蔽に走り始めることでしょう。このツケを払うのは国民なのですから、言いがかりを放置することは好ましくありません。

 『1つの事例』で全否定して良いなら、「武漢での新型肺炎が懸念されるから中国人の入国を全て禁じろ」という主張も成り立ってしまいます。この認識を野党など反原発派は持つ必要がありますが、自らの “正義” を盲信しているため、踏み止まれないのでしょう。

 マスコミと歩調を合わせた世論誘導ですから、印象操作などに対する批判は続けなければならないと言えるのではないでしょうか。