中国が「特恵関税制度」の対象外とすることに合わせ、ODAも終了すべきだ
財務省が途上国の経済発展を支援する目的で利用されている「特恵関税制度」から中国などを対象外とする方針を決定したと産経新聞が伝えています。
中国からの輸入品はこの制度のため、低い税率となっています。日本を上回る世界第2位の経済力を有する中国を他の先進国と同じ関税を設定することはフェアな扱いであると言えるでしょう。
財務省は24日に開いた関税・外国為替等審議会で、途上国の輸入関税の税率を低くし、経済発展を支援する「特恵関税制度」を見直し、中国やメキシコなど5カ国を対象から除外する方針を示した。中国などは急速な経済発展で輸出競争力を強めており、援助の必要性が薄くなったと判断した。平成31年度までの実施を目指す。
「特恵関税」から中国が外される方針は18日の時点で朝日新聞が報じていたように既定路線となっていました。
制度自体は途上国の輸出振興や経済支援を目的としているため、継続する意義は大いにあります。しかし、経済力を持った国に対し、低い税率の関税を維持したり、関税を免除したままにすることは国内産業を衰退させる原因になってしまうことを忘れてはなりません。
特に、中国は2015年度に「特恵関税制度」による優遇税率が適応されたものの6割を占めているのですから、財務省の対応は当然と言えるでしょう。
なお、中国と合わせて「特恵関税制度」の対象から外れる国は以下のとおりです。
- 中国
- ブラジル
- メキシコ
- タイ
- マレーシア
いずれの国も経済支援の必要性が高い国ではなく、自然な流れと言えるでしょう。EUやカナダではこれらの国々に対する関税面での恩恵はすでに撤廃済みであり、日本の動きは遅い部類に入ります。
ただ、中国については現在でもODAを投入されている状況ですので、こちらについても終了に向けた動きを本格化させる必要があります。
成熟した国同士の関係を構築するためには “対等な関係” が不可欠です。一方的に配慮し続ける関係は「負担を一方的に押し付けている状態と同じ」であり、長く続くことはないでしょう。
「援助されることが当たり前」という間違った認識が根付く前に対処しなければなりません。もし、そうした認識が当たり前になったのであれば、その国に対する支援は即座に打ち切る必要があります。自国の富を費やしてまで、他国を支援し続ける意味はなく、相応のリターンも見込めないからです。
気前よく諸外国への援助を決めるのではなく、援助対象のプロジェクトを見極め、両国間に与える影響やリターンをシビアに判断した上で結果をアナウンスしなければならない時代になっていると言えるのではないでしょうか。