「司法府の判断に立法府が介入すること」が立憲民主党・枝野代表が掲げる “真っ当な政治” の姿勢

 “真っ当な政治” を掲げる立憲民主党の枝野代表ですが、「野党第1党の代表を務める国会議員でありながら司法の拘留審査に圧力をかける」という発言を行っています。

 国会が立法機能を果たさず、司法と並行して “調査” をすることは危険な行為と言えるでしょう。意図してやっているなら悪質ですし、問題点に気づいていないなら立法府の人間として能力に疑問符が付くことになるからです。

 

 (森友学園前理事長の)籠池(泰典)さんが長期にわたって勾留されて外部とやりとりができない。第1回公判まで保釈がされにくい日本の司法の仕組みは分かっているが、これは一種の政治犯。勾留を続けていることは「不当だ」と言われても仕方がないのではないか。籠池さんに今さら証拠隠滅の恐れはないですよ。証拠隠滅してきているのはむしろ財務省。保釈を認めない理由はない。保釈をして、(音声データなど)新しい材料も出てきているので、ご本人に説明を求めたい。

 

 まず、保釈申請が認められるケースの方が稀であることが前提にあります。

 籠池氏のケースは詐欺容疑であり、政治犯ではありません。「安倍政権を批判する立場だから政治犯」という主張は罪状と比較すると、無理筋であることは明らかです。

 また、籠池夫妻は共犯と見られていますし、彼らは罪状を否認しているはずです。そのため、証拠隠滅の恐れは以前としてある訳ですから、保釈が認められないのは通常の判断と言えるでしょう。

 

1:「3種類の契約書を作成し、補助金を受給した詐欺容疑」が籠池夫妻の拘留理由

 拘留するかを決定するのは裁判所(=司法)の判断です。籠池氏は金額の異なる3種類の契約書を作成し、補助金を不正に受け取った詐欺の容疑で逮捕されたのです。立件に必要な証拠を隠滅すれば無罪となる訳ですから、簡単に保釈されることはないでしょう。

 もし、政治家として発言するのであれば、“人質司法” と揶揄される現状を改善すべきではないかとの形で制度改革を訴えるべきです。

 「個別事案への介入」は論外ですし、立法府がすべきは立法措置や法務省から事態改善に向けた有効な答弁を引き出すことでしょう。枝野氏の発言は “真っ当な手法” から大きく逸脱した問題発言なのです。

 

2:立憲民主党が目指すは韓国型の政治体系

 立憲民主党の枝野代表が目指している “真っ当な政治” というのは『韓国型の政治体系』なのでしょう。彼らの要求していない内容を踏まえると、韓国の統治機構が最も合致すると考えられるからです。

 なぜなら、韓国の司法は行政・国会の決定に追従するからです。

 韓国の裁判所は大統領や国会の顔色を伺い、判決を下します。「大統領が不快感を示している」となれば、産経新聞の加藤ソウル支局長に有罪判決を平気で下すほど忖度するのです。

 韓国では権力者(≒ 大統領)から、「お前は “ウリ” (=我々の仲間)ではない」と見なされてしまうと、悲惨な将来が待ち受けています。韓国の司法が権力者の意向を気にするのはこのような理由があるからなのです。

 

3:韓国型の統治機構なら、“疑惑” をでっち上げて政権交代を起こせるという誘惑

 なぜ、野党が『韓国型の統治機構』に魅了されるかと言えば、「でっち上げの “疑惑” であっても、政権交代まで漕ぎ付けることが可能だから」に他なりません。

 日本では根拠が全く示せていない森友・加計問題をマスコミが「政権の一大スキャンダル」として大騒ぎしました。もし、『韓国型の統治機構』であったなら、司法は “(マスコミが作った偽の)世論を背景に動く国会” に忖度し、安倍政権を有罪とする判決を下していたでしょう。

 当然、国会は政策ではなく、スキャンダルで動くようになります。また、司法は基本的に政権の味方に付く訳ですから、不正などが社会に蔓延するという悪循環を招く結果になるのです。

 「不正のポイント」を明確に指摘せず、ただ「怪しい。無実だと言うなら、自ら証明しろ」と要求することは魔女裁判と同じです。“真っ当な政治” とは対極にある手法であることを自覚しなければならないことは言うまでもありません。

 

 「再配分による成長」を訴える立憲民主党は『配分の決定権』という権力が欲しいと言っていることと同じです。ですから、権力者が独裁者のように振る舞うことが可能な韓国型の統治機構に惹かれるのでしょう。

 立憲主義とは真逆の行為を平然と行っている立憲民主党のペテンに騙されないように注意する必要があると言えるのではないでしょうか。