比例選出された初鹿明博議員が「強制わいせつ容疑で書類送検されたこと」を理由に離党したのだから、立憲民主党は議員辞職を勧告すべき

 立憲民主党の初鹿明博議員が離党届を提出したと NHK が報じています。

 提出の理由は「(強制わいせつ容疑で)書類送検されたこと」ですが、立憲民主党は初鹿議員に議員辞職を党として勧告すべきでしょう。なぜなら、初鹿議員は比例選出の議員だからです。

 また、立憲民主党は #MeToo 運動で政治的に騒ぎ続けた政党でもあるため、“けじめ” を付ける責任もあると言えるでしょう。

 

 衆議院比例代表東京ブロック選出で、立憲民主党の初鹿議員は、4年前、都内を走行中のタクシーの車内で知人の女性にわいせつな行為をしたとして、今月10日づけで書類送検され、初鹿氏は、調べに対し、容疑を否認しているということです。

 初鹿氏は、20日、福山幹事長の国会内の事務所を訪れて離党届を提出しました。

 初鹿氏は「書類送検されたことを受け、捜査機関の判断を待つ身であるが、このような事態を招いたことに鑑み、離党届を提出した」というコメントを出しました。

 

比例区で選出された議員の離党は容認すべきではない

 初鹿明博議員は東京16区を地盤としている衆議院議員ですが、当選した直近2回の衆院選では比例復活で議席を獲得しています。

 比例区で選出された議員は「政党の力」で当選したのですから、離党は投票した有権者への裏切り行為となります。初鹿議員の場合は「書類送検された」という自らの振る舞いが原因です。

 したがって、立憲民主党が初鹿議員の資質を問題視するのであれば、議員辞職を要求すべきでしょう。初鹿議員が「党に迷惑がかかる」との理由で離党するなら、比例区で得た議席は党に返還しなければなりません。

 そうすることで立憲民主党は「初鹿議員よりも潔白な次点の候補者」に議席を与えることができるからです。『#MeToo 運動』を使った政局を作り出した “前科” があるだけに立憲民主党は初鹿議員に厳しい対応を採る責任があると言えるでしょう。

 

『書類送検されなかったセクハラ問題』で騒いだ以上、立憲民主党は自ら厳罰を下す責務がある

 立憲民主党が初鹿議員に厳しい対応をしなければならない理由は「『書類送検されなかったセクハラ問題』を政局にして騒いだから」です。

 財務省次官の疑惑でも伊藤詩織氏が被害を訴えた件でも、刑事事件としては成立していません。“刑事事件として司法の場に持ち込まれなかった案件” を政局として大騒ぎしたのですが、書類送検された『初鹿議員の問題』はそれら以上に糾弾しなければならないはずです。

 立憲民主党は「タクシーに一緒に乗車したことが合意の根拠」と弁明した初鹿議員の肩を持つのでしょうか。それでも、「6ヶ月の役職停止処分を下したから党として対処はしている」と説明するのでしょうか。

 どちらを選択するにしても、立憲民主党が支持者や有権者を念頭に置いた追加の説明をする必要があります。有耶無耶にした状態での幕引きは党のメリットにはならないのですから、厳しい態度を打ち出して「初鹿議員を切ること」ができるかが見られていると言えるでしょう。

 

「被害女性の味方」なのか「政権批判に使える被害女性を求めているだけ」なのかが示されることになる

 立憲民主党などのリベラル派に対する支持が広がらない理由は「政権批判に使える被害女性を求めているだけ」と見切られているからでしょう。

 要するに、一貫性がないのです。性的事件の被害者に寄り添うなら、すべての被害者を念頭に置いた対応をしなければなりません。しかし、リベラル派は「政権批判に協力的な被害者がいる事件だけ」を大々的に取り上げて政局にするのです。

 これでは不都合が生じるのは当然です。なぜなら、特定の案件を恣意的に抜き出しているため、同様の問題が自陣営で発覚するとブーメランになってしまうからです。

 本来は「被害者の救済」や「新たな被害者を生み出さないこと」を念頭に置いた政治活動が行われているべきです。しかし、その目的を完全に見失っているのですから、有権者に支持が広がらないことは当然の結果だと言わざるを得ないのではないでしょうか。