諫早湾干拓事業で「開門の必要なし」との判決が最高裁で確定、民主党時代の “悪しき置き土産” が解消間近となる
NHK によりますと、長崎県の諫早湾干拓事業をめぐり堤防開門の必要性が問われていた裁判で最高裁が「堤防開門の必要はない」とする判決が確定したとのことです。
この問題では民主党(現・立憲民主党)政権時に菅直人首相が「開門を命じる判決」を高裁で確定させたことで国が相反する責務を負うことになったのです。その “悪しき置き土産” が解消間近になったことは評価に値すべきと言えるでしょう。
長崎県諫早湾の干拓事業をめぐる裁判で、最高裁判所は、漁業者側の上告を退ける決定をし、堤防の開門の必要はないという判決が確定しました。逆に開門を命じた高裁判決もすでに確定しているため司法の判断がねじれた状態は変わりませんが、最高裁で開門を認めない判決が確定するのは初めてで、残るほかの裁判への影響も注目されます。
(中略)
今回の決定によって、最高裁で争われているのは開門を命じた確定判決の効力をなくすよう国が求めている裁判だけとなります。
諫早湾干拓事業問題が発生したのは民主党政権の責任
現在も裁判が続いている諫早湾干拓事業問題を作った責任は民主党・菅直人政権です。その理由は菅政権の対応が問題の発端となったからです。
- 漁業者(開門に賛成)
- 2004年:佐賀地裁で一部勝訴、工事の仮処分が決定
- 2005年:福岡高裁で処分取消、工事が再開
- 2008年:佐賀地裁で「水門を調査目的で5年間の解放すること」を命じる
- 2010年:福岡高裁も「水門を5年間解放」を命じる
- 国 = 菅直人首相(民主党)
- 福岡高裁が2010年に命じた「水門を5年間解放」に対し、上訴の見送りを発表
- 「水門を5年間解放」の判決が確定
- 開門の期限は2013年12月であることも同時に確定
- 農業者(開門に反対)
- 開門の差し止めを求め、長崎地裁に提訴
- 2013年11月に「水門を当面開けてはならない」という仮処分命令が出る
- 2015年:福岡高等でも水門開放要求は棄却
立憲民主党が政権の座にあった「2010年当時に自分たちが確定させた判決に沿った動きをしていない」のです。それにより、確定判決を執行していないことによる制裁金を払い続けるという事態が発生しています。
この現状を見て見ぬ振りをしているのですから、立憲民主党の責任は重いと言わざるを得ないでしょう。
安倍政権は「開門不要」の立場で着々と問題解消に向けて動いている
立憲民主党が確定判決を執行させずにサボタージュをしたことで問題となった諫早湾干拓事業ですが、安倍政権は問題の解消に向けて粛々と作業を行っています。
昨年7月には福岡高裁で「漁業権は消滅済みのため開門は不要」との判決を勝ち取り、今月には最高裁でも「開門不要」との判決が確定しました。
現時点で残っているのは「菅直人首相(当時)が2010年に確定させた開門を命じる判決の効力」だけです。安倍政権は “該当の確定判決の失効” を求めており、最高裁で来月に弁論が開かれる予定となっています。
堤防開門派だった立憲民主党が本件を「国政案件」から「都道府県案件」に格下げしており、菅直人首相が確定させた判決の効力を執行させたとしても批判は起きないでしょう。
なぜなら、混乱を起こした元凶として2010年当時とは比較にならない批判を浴びる恐れが強いからです。そのため、判決の効力を消滅させる障害はないと言えるはずです。
立憲主義を掲げながら、自分たちが決めたルールも守らずに逃げる姿勢は評価できない
立憲民主党は基本的に無責任な政治家らで構成されている政党なのでしょう。自分たちが確定させた判決によって生じた問題を解決するどころか、知らぬ・存ぜぬの姿勢で逃げ続けているからです。
国政では様々な政策に関わるため、すべての政策が完璧であることを要求するのは非現実的です。
問題が生じる案件がいずれは発生します。重要なのは問題が起きた際に原因となった政策を推進させた政党や政治家が責任を取ることであり、「諫早湾干拓事業で開門の判決を確定させたこと」は現在の立憲民主党が責任を取らなければならないことです。
しかし、立憲民主党は『立憲主義』を掲げながら、自らの判断で作った「確定判決」を執行することもなく、「確定判決によって生じている弊害」からは逃げ続けているのです。この姿勢を評価する要素は皆無と言わざるを得ないでしょう。
政治は結果が重要なのですから、文句を言っているだけでは話になりません。実務を着実に遂行し、問題が発生してしまった場合は速やかに修正に乗り出すことができなければ、支持率が伸び悩むのは当然の結果と言えるのではないでしょうか。