「日韓企業が財団方式で賠償するなら徴用工問題の仲裁委に応じても良い」との韓国側の提案に対し、日本は「国際法違反が是正されていない」と拒否

 徴用工問題で「仲裁委員の指名」を要請されている韓国が「日本と韓国の企業が財団形式で自主的に慰謝料に相当する金額を支払うなら仲裁委の手続きを受け入れても良い」との提案をし、これを日本側が拒否したと読売新聞が報じています。

 韓国側の行為では「国際法違反が放置させるだけ」です。日本は「韓国による国際法違反状態の是正」を要求しているのですから、「国際法違反の容認」を求める韓国側の要求が拒絶されるのは当然と言えるでしょう。

 

 外務省の大菅岳史報道官は19日の記者会見で、韓国政府が日韓請求権・経済協力協定に基づく2国間協議に応じる前提条件として、日本企業が韓国企業と共に元徴用工らへの慰謝料支払いに応じることを求めたことについて、「韓国の国際法違反状態を是正することにはならず、問題の解決にはならない」と述べ、拒否する考えを示した。

 韓国の要求は話になりません。それぐらい問題のあるレベルなのです。今回の件で韓国側の肩を持つ主張をするのであれば、立憲主義を語る資格はないと言わざるを得ないでしょう。

 

仲裁委に関する手続きに「受け入れ条件」など存在しない

 日本は日韓基本条約で条文解釈などの紛争が生じた場合、 “唯一の解決策” として第3条に記されている仲裁委員会の設置を韓国に求めています。

 3条1項に記載された「外交ルートを通じた解決策の模索」は韓国側は消極的で進展は得られず。日本は3条2項に記された「仲裁委員会の設置」を要求し、6月18日が仲裁委員の任命期限でした。

 しかし、韓国は仲裁委員会の委員を任命せず。それどころか、「日本企業と韓国企業が自主的な拠出金で財源を確保し、慰謝料に相当する金額を払うなら、仲裁手続きを受け入れることを検討しても良い」と主張したのです。

 韓国は条約で定義されていない “受け入れ条件” を勝手に設定し、日本側に譲歩を要求しているのです。国際条約に違反する韓国の行為を容認することになるため、拒絶することが当然と言えるでしょう

 

慰安婦財団を解散させたムン・ジェイン政権が「自主的な財団設立による解決」を “前提条件” に提示

 ムン・ジェイン政権の対応は日本に喧嘩を売っていることと同じです。『慰安婦財団』を自ら解散をさせており、財団が解決策になり得ないことは自らが実証済みです。

 徴用工判決が出た直後で慰安婦財団を解散させていない状況なら、交渉の出発点にはなったでしょう。

 しかし、既に時期を逸しています。また、“自主的に” と語っていますが、韓国政府が関わった財団であっても現政権が解散に追い込んでいるのです。参加するメリットは企業側には全く存在しないと言わざるを得ません。

 

韓国側の提案を即座に拒絶した河野太郎外相は仕事をしている

 韓国が仲裁委の設置に条件を付けて来たことに対し、河野外相は提案を拒否する旨をツイートしています。

 河野外相の主張内容は「至極まっとうなもの」であり、外務大臣として期待されている仕事を果たしていると言えるでしょう。一方で、責任逃れに走る韓国の姿勢に寄り添う言動や報道をしている界隈は問題です。

 これは「条約を破った側の方針を支持する」と言っていることと同じになるからです。親韓派に該当する朝日新聞や立憲民主党などの野党が批判的な見解を示しているかを確認しておく必要があります。

 

 今後は韓国から「仲裁に向けた提案を日本が拒否した」との責任転嫁を主張する言動が目立つようになるでしょう。そして、その主張をそのまま宣伝する親韓派の日本メディアが散見されることになるはずです。

 そのような言論に対して、「韓国による国際法違反状態を容認せよと訴えているのか」と問い質し続ける必要があると言えるのではないでしょうか。