“年間死者数の8割強を占める年金受給世代” を『死者の8割が70歳以上の新型コロナ』から守るために国民の8割に自粛を強い続ける意味はあるのか?
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本では行政からが萎縮自粛を強く要請される状況となっています。ただ、『緊急事態宣言』を継続する根拠は薄れていると言わざるを得ないでしょう。
なぜなら、新型コロナウイルスによる死者の絶対数が日本では少ない上、(新型コロナで)死亡する人の割合は過去5年で亡くなっている人の年齢別の割合と同じだからです。
人口比で約 20% の高齢者を延命させるために残りの国民に経済活動を自粛させることの意味について、政治家は立場を表明する必要があり、有権者は “踏み絵を迫るべきと言えるでしょう。
年間死者数の 80% 強は70歳以上で、新型コロナウイルスによる死者も 80% が70歳以上
グラフを作成する際に用いたデータは『人口動態調査』として公開されている数値です。「人口」と「死亡」の項目で確定値として公表されている数値を確認することが可能です。
69歳以下 | 70歳以上 | 全体 | |
---|---|---|---|
人口 | 9810万人 (79%) |
2611万人 (21%) |
1億2418万人 |
全死亡者 | 22.8万人 (17.3%) |
108.7万人 (82.7%) |
131.5万人 |
結核 | 165人 (7.9%) |
1925人 (92.1%) |
2090人 |
肺炎 | 0.6万人 (5.5%) |
10.4万人 (94.5%) |
11万人 |
交通事故 | 2761人 (52.6%) |
2485人 (47.4%) |
5246人 |
自殺 | 16490人 (75.8%) |
5269人 (24.2%) |
21759人 |
新型コロナ | 48人 (19.8%) |
195人 (80.2%) |
243人 |
(人口は2018年の確定値、死因に占める死者数は2014年から2018年まで5年間の年間平均、新型コロナの死者は4月24日時点のもの)
当初は “新型コロナウイルス” がどういった人々に猛威を振るうのかが全くの不明であったため、社会全体に対して『(外出自粛など)命を守る行動』を呼びかけることは適切でした。
しかし、時間の経過とともに統計調査が活用できるデータが蓄積して来たのですから、それを踏まえたアップデートをすることは不可避です。
特に日本では「(70歳以上の)高齢者には深刻だが、現役世代には誤差の範囲内」という状況が浮き彫りになりつつあるからです。したがって、「高齢者の延命」を優先させるのか、それとも「若い世代への投資」を優先させるのかの “踏み絵” を政治家に迫る必要があると言えるでしょう。
(50代以下の)現役世代にまで『自粛』を要求し続ける意味はあるのか?
「今後も新型コロナウイルスへの対応が最優先」と考えている人々が見なければならないのは「50代以下の現役世代にとって脅威なのは新型コロナではなく不況」という現実です。
例えば、マスコミは『自殺』を取り上げる際に「学校でのいじめ」にスポットを当てる傾向にあります。ただ、10代が自殺によって亡くなるのは全体の 2.5%。40代と50代の割合がそれぞれ 15% を超えており、こちらは「経済的な理由」が主因と言えるでしょう。
つまり、過剰であることが浮き彫りになりつつある現在の自粛要請を続けると、新型コロナウイルスによる年間死者数とは比べものにならない自殺者が “追加で” 発生してしまう恐れが現実にあるのです。
2014年から2018年までの5年間における自殺者は年平均で2万1759人です。この数字は不景気になる(≒ 失業率が上がる)と上昇するため、この現実を踏まえた上での判断が求められていると言えるはずです。
高齢者は(上がるとは言え)窓口負担は原則2割、まだ「高齢者の延命」のために現役世代から搾取するの?
高齢者を延命させるために “現役世代の財布” に手を入れることに何の躊躇もない政治家が圧倒的多数ですから、日本の少子化問題が解決に向かうことはまずないでしょう。
70歳以上の高齢者の窓口負担は原則2割と現役世代よりも低いですし、75歳以上の高齢者が窓口で支払う負担分はわずか1割です。2022年からは「2割にしよう」との話は出ているものの、批判の声は根強くあります。
誰でも病院にかかれる上、自己負担の割合は現役世代よりも低い。「高齢者は十分すぎるほどに恵まれている」と言えるでしょう。
これ以上の高齢者優遇措置は不要ですし、その必要性を訴える政治家や識者は「少子化問題に取り組む気はない」と見なして良いはずです。なぜなら、高齢者を延命させるために “将来生まれてくる命” を犠牲にしていると言えるからです。
政治家が『まだ生まれてもいない20年以上も先の有権者を見据えた政策』を遂行することは簡単なことではありません。多くは『目先の選挙で票を投じてくれる(可能性が高い)高齢者を給付金で釣る政策』へと流れる “政治屋” でしょう。
統計データを無視して無意味な自粛をしたことで経済を疲弊させることで『共産革命』を狙っているなら、現状方針は断固として維持すべきです。
そうでないなら、「『過剰自粛は解く必要があると示されつつある統計データ』を踏まえた上での対応に改めるべき」と言えるのではないでしょうか。