裁量労働制を過労死の観点から批判する山井和則議員(希望の党)が「土日で精査しろと言っただろ」と口撃するブラックジョーク

 『働き方改革』が争点の1つとなっている国会で、山井和則議員(希望の党)が「金曜日に土日で精査しろと言ったでしょ」と2月26日(月)に行われた予算委員会で発言しています。

 この発言は大きな問題発言と言えるでしょう。なぜなら、山井議員は「過労死が増える、人の命がかかっている」と主張しているにもかかわらず、厚労省の職員に過剰労働を強いているからです。

 

 予算委員会第五分科会で山井議員は次のような発言をしました。

山井和則議員(希望の党):「金曜日に精査をしてくれ」って言ったんでしょ。土日を挟んで。その結果どうだったんですか。

後藤祐一議員(希望の党):そうだ!

山井議員:命のかかってる問題を議論しているんですから、あまりにもふざけた答弁、いい加減やめて下さいよ。

後藤議員:そうだ!

 

 “命のかかってる問題” を議論しているそうですが、「守るべき命」の中に厚労省で働く人々が入っていないことが山井議員の発言から明らかになりました。

 過労死の問題を取り上げるのであれば、山井議員のような発言をする人物は厳しく取り締まらなければなりません。他の与野党議員やマスコミが山井議員の発言を撤回させ、謝罪させない限り、ブラック企業問題を含めた過労死問題は解決することはないと言えるでしょう。

 

1:山井議員のような発言をする人物こそ、過労死問題の根元である

 過労死問題が起きる根本的な原因は「やれと言っただろ」と労働時間を無視して、労働者に圧力をかける人物がいるからです。

  • 社内:上司や先輩
  • 取引先、クライアント
  • 顧客:クレーマー

 「月曜までにやっとけよ」、「朝一で間に合うようにしておいて」と言った上司や先輩はそそくさと帰る。

 「弊社と御社の間に NO という選択肢はない」と無茶な要望を出す取引先も同様です。また、「なんでできないんだ」、「技術者ならできない理由ではなく、解決策を出せ」などと叫ぶクレーマーも原因を生み出す側で存在感を発揮しています。

 マスコミが使用する “下請けいじめ” と同じ構図が労働現場で起きている訳ですから、「この点を改革・改善しない」という選択はあり得ないと言えるでしょう。

 

2:「労働者の味方」を名乗る政党は山井和則議員(希望の党)を懲罰動議にかけなければならない

 山井和則議員(希望の党)の予算委員会での発言は懲罰動議にかけるべきものでしょう。少なくとも、厳重注意をすることは必須と言えるはずです。

 特に、『労働者の味方』を名乗る政党は率先して山井議員の発言を厳しく批判しなければなりません。

 山井議員は厚労省で働く労働者に対して、「土日に関係なく働け」と要求しており、これは過労死を招く原因を作っていることと同じです。この発言を野放しにするのであれば、安倍政権が進める『働き方改革』に文句を言う資格はありません。

 また、“過労死で家族を失った遺族の代弁者” として国会で追求することにもあまりに不適格な人物だと言わざるを得ないでしょう。

 

 『働き方改革』は必要です。現状では「ブラック企業問題」など現行の取り締まり基準では不十分であることが明らかだからです。

 ところが、野党議員の質問通告時間があまりに遅すぎるなどが原因で官僚が働く霞ヶ関が “ブラック” なのです。これでは世間一般が『働き方改革』による恩恵を受けることは難しくて当然と言えるでしょう。

 まずは永田町と霞ヶ関で『働き方改革』を先行的に実施すべきです。第一弾として衆議院と参議院の公式ウェブサイト上で国会の委員会での質問通告を受け取った日時を明記することから始めるべきと言えるのではないでしょうか。