共産党・志位委員長が「韓国をホワイト国から除外するのは『政経分離の原則』に反する」と主張し、 “韓国共産党” としての活動も始める

 NHK によりますと、韓国を輸出管理の優遇措置対象国から外す措置が採られることが目前に迫る中、共産党が「措置の取りやめ」を求める申し入れを行ったとのことです。

 日本側が求める要求水準に達していないのですから、優遇措置の対象外となるのは当然です。また、「志位委員長がムン・ジェイン大統領が掲げる『政経分離の原則』を持ち出していること」も失笑物と言わざるを得ないでしょう。

 

 共産党は31日午後、穀田国会対策委員長が、自民党の森山国会対策委員長を通じて政府側への申し入れを行いました。

 申し入れでは、「優遇措置の対象国から韓国を除外する措置を取れば日韓関係に極めて深刻かつ重大な悪影響を与えることが強く懸念される。政令の改正を見送り、外交的解決の努力をすべきだ」としています。

 このあと、志位委員長が記者会見し、「『徴用』をめぐる政治上の紛争解決の手段として貿易問題を使うのは、政経分離の原則に反する禁じ手だ」と述べました。

 

「兵器転用可能な戦略物資の輸出管理ができていない国」に対する優遇措置の継続を求める共産党

 共産党は申し入れを行う相手を間違えています。日本政府が韓国をホワイト国から外す理由は「兵器転用可能な戦略物資の輸出管理ができていないから」です。

 したがって、韓国の優遇措置が継続される方が問題なのです。

 反戦・平和を訴える共産党が「 “兵器転用可能な戦略物質” を輸出管理が杜撰な国への輸出を現行水準のままで認めろ」と要求しているのです。この矛盾点を認識できていなれば致命的ですし、認識した上で主張しているなら悪質と言わざるを得ないでしょう。

 

日本からの問い合わせを3年も無視する国に “優遇措置” を与えたままで話し合いを継続するのか

 共産党は「外交的解決の努力をすべき」と主張していますが、これは手遅れです。なぜなら、疑惑が生じた時点で経産省が「実態確認」の問い合わせを行うも、韓国側は約3年に渡って音沙汰がなかったからです。

 “大量破壊兵器のみ” を想定した韓国の国内法では「日本が求める輸出管理を満たしている」とは言えません。『兵器転用が可能な素材』については規定の対象外と読み取れるのですから、日本側が「不十分」と結論づける根拠となるでしょう。

 仮に外交的解決を模索するにしても、優遇措置が採られたままでは意味がありません

 安全保障上の問題が懸念される中で、先送りにすることは危険な状況が続いていることと同じだからです。したがって、「優遇措置の対象から外し、日本が要求する輸出管理水準にあると判断された後に優遇措置の対象に復帰する」という道筋が妥当と言えるでしょう。

 

ムン・ジェイン大統領が日本に求める『政経分離の原則』を志位委員長が代弁

 また、31日に共産党が措置の取り消しを申し入れたニュースで取り上げる必要があるのは「共産党の志位委員長がムン・ジェイン大統領(韓国)が主張する『政経分離の原則』を持ち出していること」でしょう。

画像:共産党・志位委員長のツイート

 『政経分離の原則』がムン・ジェイン大統領が持ち出している “考え方” で義務ですらありません。

 内容は「政治と経済は分けて対応すべき」というもので、具体的には「韓国は政治問題(= 歴史問題)で日本を批判し続けるが、日本は経済問題においては韓国に惜しみない協力をすべき」というものです。

 要するに、韓国の利益を最大化するための詭弁です。政治的に反日運動を煽って人気取りをするが、経済面では『通貨スワップ協定の締結』や『韓国への優遇措置および投資を要求』という “いいとこ取り” をするための理由付けに過ぎません。

 “日本側だけが我慢を強いられる二国間関係” が悪化するのは当然のことです。明らかな不公平が白日の下にさらされるほど、関係悪化が深刻になるでしょう。

 

 韓国のような雑な輸出管理をする国を『ホワイト国』として優遇したままにしておくと、「迂回輸出の共犯」として日本が EU などから指定されている『ホワイト国』から除外されるリスクも現実にはあるのです。

 そうした認識が抜け落ちている共産党の姿勢は論外であると言わざるを得ません。名称を『韓国共産党』と変更し、名実ともに「韓国政府の意向を日本の国会で代弁する政党」として堂々と活動すべきと言えるのではないでしょうか。